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うつ病と誤診されやすい病気~双極性障害

うつ病と関わりのある病気として、「双極性障害(躁うつ病)」があります。これら2つの病気は見分け方が難しい場合があり、うつ病と診断を受けても実は双極性障害だった、というパターンも多く見られます。

双極性障害とうつ病の違いとは?

双極性障害とうつ病 双極性障害とは、異様に気分がハイになる「躁状態」と、真逆の「うつ状態」をどちらも経験する精神疾患です。従来は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在では双極性障害の名称で定着しています。

うつ病も双極性障害も、ともにうつ状態(大うつ病エピソード)を持つため、判断が難しいのが現状です。たまたま躁状態から始まった場合は診断が容易なのですが、うつ状態から始まった場合はその時の症状を見るためうつ病と判断されてしまいがちです。

うつ病との違いとしては、躁状態の有無のほか、発症年齢が若いことが挙げられます。うつ病は年齢に関わらず発症するのに対し、双極性障害では20代がピークです。 またうつ病は女性のほうに好発するのに対し、双極性障害では性差がありません。

患者数としては圧倒的にうつ病のほうが多く、双極性障害は人口全体の1パーセント未満にとどまっています。その発症頻度の少なさも、双極性障害の診断を難しくしているといえるでしょう。

またうつ病との見分け方としては、幻聴や妄想などがある、過眠や過食が見られる、親族に双極性障害の人がいる、などがあります。またうつ病と比べると身体症状が比較的少なく、精神症状が強い傾向も見られます。

うつ病治療を受けると、双極性障害が悪化する危険性も

治療法も、うつ病と双極性障害では異なります。うつ病は大うつ病エピソードのみとなるため、抗うつ薬などでうつ症状の改善をはかることが目的となりますが、双極性障害の場合は「躁状態とうつ状態の波を小さくすること」が目標です。 そのため使われる薬も抗うつ薬ではなく、気分安定薬を基本として、抗精神病薬を併用することが一般的です。

しかしうつ病だと誤診されて抗うつ薬を処方されると、効果がないばかりではなく、症状が悪化する危険性があります。特に昔からある「三環系」の抗うつ薬を双極性障害の患者さんに用いると、躁状態とうつ状態の波が激しくなるリスクが高まることが分かっています。

このように、うつ病と双極性障害は似て非なる病気のため、診断には慎重な姿勢が要求されています。