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うつ病と誤診されやすい病気~気分変調性障害

うつ病と誤診されやすい病気の1つに、「気分変調性障害」があります。軽度のうつ病と間違われることが多いのですが、抑うつ感や意欲の低下、不眠などの症状が慢性的に続き、1日の中でも波が少ない点が特徴です。

うつ病より軽いが、慢性的に続く病気

慢性的に続く病気 気分変調性障害とは、抑うつ感が長期間続く精神疾患です。日本では「抑うつ神経症」「神経症性うつ病」という名称が使われていたこともありますが、基本的にうつ病とは区別されています。

20代~30代前半までに発症することが多く、男女比ではうつ病と同様、女性のほうにやや多く見られます。また症状もうつ病と似ており、抑うつ感や意欲の低下、食欲不振や不眠といったものが代表的です。 ただしうつ病のガイドラインである「DSM-Ⅳ」の診断基準には満たないため、うつ病と比べると抑うつ症状が軽いという特徴があります。

しかし軽いながらも慢性的に続くのが気分変調性障害で、多くは2年以上続きます。またうつ病が朝にもっともひどく、夕方になるにつれ軽快することが多いのに対し、気分変調性障害では1日じゅう同じ状態が持続する、もしくは夕方になるにつれ悪化することが一般的です。

つまり常にふさぎ込んでおり、うつ病より軽いながらも長い経過をたどる点が気分変調性障害の見分け方だといえます。また親兄弟など近い血縁の人に、うつ病の既往歴がある場合が多いといわれています。

本人ですら「性格的なもの」と思い込んでいることも

最初は、その抑うつ状態からうつ病と診断されることが多いものの、あまりに状態が長く続くために、途中から気分変調性障害へと診断が切り替わるケースも多く見られます。

原因としては、長期間のストレスや大きな環境の変化などが挙げられ、これらはうつ病とも共通しています。また症状が軽めなだけに、始まりが曖昧である人が多く、受診が遅くなりがちなのも気分変調性障害の特徴です。 本人ですら病気に気づかず、性格的なものだと思って過ごしていることも少なくありませんし、発症から何年もたってからようやく受診することもあります。

さらに気分変調性障害では身体症状が少ないため、うつ病のように周りから見て明らかに変わった、ということも少なく、主観的な症状が多くなります。ですから周りも病気だとは思わず、単に社会不適応だとか暗い性格、と思い込んでしまうのです。

しかし気分変調性障害の罹患率は決して低くなく、全人口の5~6パーセントが該当するとされています。またパニック障害や境界性パーソナリティ障害、強迫性障害などの精神疾患と併発するケースも多く見られます。

治療はうつ病とほぼ同じですが、症状が軽いわりに抗うつ薬の効き目が薄い場合が多く、強めの薬で対処することもあります。また心理学的なアプローチも併用されています。