HOME → うつ病の治療法 → うつ病の治療は長くなりやすい

うつ病の治療は長くなりやすい

うつ病は一晩寝れば治る、というような病気ではありません。なんとか元気を取り戻せるまでに数ヶ月かかるのが当たり前の疾患です。しかし、この段階では安定した状態には至っていないことが多く、安心できるレベルになるまでには最低でも1年近くはかかります。その後も、再発防止のための投薬期間が1年から2年は必要になりますので、トータルの治療期間が数年かかることも珍しくないのです。

なぜうつ病の治療には時間がかかるのか

時間 うつ病になるには心身にさまざまな問題を抱えていることでしょう。その問題の中にいる限り、うつ病が改善する可能性はほとんどありません。うつ病になると休養が必要だとされているのも、マイナスの環境から離れて心身を休めるためだと言えます。

しかし、大きなダメージを受けた人の心と体は、ちょっとくらいの休養で回復するものでもないのです。そもそも自然治癒力を持った人間のからだを持ってしても、うつ病は回復しなかったわけです。脳内のセロトニンの分泌に影響を与えるまでのダメージを負っているのですから、じっくりと休養する必要があります。

次に、抗うつ薬による薬物療法です。抗うつ薬はうつ病の根本原因を治す薬ではありませんので、これだけでうつ病が完治するというものではないのです。現在主流となっているのは、SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれている薬剤で、うつ病のメカニズムには直接的に作用するのですが、うつ病のメカニズムを作動させているストレス源などには別のアプローチが必要。その第一が、休養ということになります。

薬にはあう薬とあわない薬がある

これを読んでいるあなたは、生まれてから一度も薬を飲んだことがないでしょうか。そんなことはないですよね。元気な人でも風邪薬か胃薬くらいは飲んだ経験があるでしょう。そして、自分にとって効果のある薬と効果がない薬というものを経験しているのではありませんか。

抗うつ薬も同じで、どの薬剤であっても効果のある人とない人がいます。最初に飲んだ薬の効果がなければ、別の薬の効果を期待することになるのです。ここで問題なのが、抗うつ薬の効果の確認には日数を要することです。一般的に、効果が出るまで2週間程度はかかるとされています。効き目が現れるのが早い薬でも1週間は飲まないとわかりません。

従って、効果のある薬に出会うのが遅ければ、それだけでかなりの治療期間を費やすこととなります。うつ病の治療期間が長くなる背景には、こうした時間もあるのです。ただ、この時間が無駄な時間ではないということは理解しておきたいです。その患者さんに適した薬を探り当てることは立派な治療と言えます。

環境要因だけでなく、性格的要因や遺伝的要因などさまざまなものがあるうつ病ですから、焦らずに治療を続けることが必要です。