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抗うつ薬をはじめとする薬物療法

現在の日本におけるうつ病治療は、抗うつ薬をはじめとする薬物療法と、十分な休養が第一となっています。また必要に応じて睡眠薬や抗不安薬なども併用されます。

抗うつ薬ってどんなもの?

薬物療法 うつ病治療の中核を担うのが、抗うつ薬です。うつ病患者さんの体では、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの減少が認められるため、抗うつ薬はこれらの物質の働きを高めることで気分の安定をはかります。

神経伝達物質は、神経細胞から分泌された後、別の神経細胞の表面にあるレセプターと結合することで情報を伝達するのですが、うまく結合しないともとの神経細胞に再び取り込まれるという性質を持ちます。 抗うつ薬は、その再取り込みを阻害することで神経細胞間にセロトニンなどをとどまらせるための薬です。

抗うつ薬にもさまざまな種類があり、セロトニンだけに働きかける「SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)」や、セロトニンとノルアドレナリンのどちらにも働きかける「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」、「三環系」や「非三環系」などが存在します。 患者さんの症状によって、どの薬を使うかを医師が決定しますが、近年では副作用の比較的少ないSSRIやSNRIが多く用いられています。

ただし抗うつ薬は服用してすぐに効果が出るとは限らず、ある程度続けることが必須です。一般的には2ヶ月~半年ほどで効果を実感できるといわれています。また多少状態が良くなっても独断でやめてしまうと、反動による強い副作用が出る可能性があるため、かならず医師の指示にしたがうことが大切です。

抗うつ薬以外の薬物療法

抗うつ薬のほか、患者さんの症状に応じてさまざまな薬の処方がおこなわれます。 不安や緊張をほぐすための抗不安薬が追加されるケースが多いほか、たとえば抗うつ薬による効果が思わしくない場合は、抗てんかん薬や、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬が処方されることもあります。また甲状腺機能の低下が認められる場合には、甲状腺ホルモンが用いられます。

他にも、睡眠障害のある患者さんには睡眠導入剤も広く使われますし、男性でうつ病によるED(勃起不全)が見られる場合はバイアグラなどのED治療薬が使われることもあります。

いずれにしてもうつ病における薬物治療では、独断で服用スケジュールを変えないことが非常に大切です。かならず医師の指示にしたがって使用するようにしましょう。