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うつ病と法律・労働安全衛生法の改正

労働者の安全と職場の衛生環境について定めた法律が労働安全衛生法です。この法律の改正法が成立し平成26年6月25日に公布されました。一番のポイントは、うつ病などの爆発的増加に伴うストレスチェックの義務付けです。

とうとう国も動き出したうつ病対策

労働安全衛生法 労働安全衛生法の第一条には目的としてこう書かれています。 「この法律は、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止 に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」

この法律が、これまでも存在意義を示していた部分は大きいのですが、うつ病などの精神科系疾患の増大を受けて、改正法ではストレスチェックの義務付けに踏み込んでいます。これは国が本気で動き出したことを表していると考えて良いでしょう。

今回の改正法では、その他の主だったものとして以下のものがあります。

・化学物質についてのリスクアセスメントの実施の義務化
・受動喫煙防止措置の努力義務化
・重大な労働災害を繰り返す企業への大臣指示・勧告・公表制度の導入

(参考:厚生労働省・労働安全衛生法が改正されます)

ストレスチェックの中身

厚生労働省の説明によりますと、常時使用する労働者を対象に、医師や保健師などが「心理的な負担の程度を把握するための検査を実施すること」が事業者に義務づけられます。

ここで心配になるのが、チェックの内容・結果が事業者に知られるのではないかということですが、法律では本人に直接通知することとなっており、本人の同意なく事業者に知らせることはできません。当然の配慮ですね。

また、検査を受けて労働者が医師の面接指導を事業者に申し出た場合、要件に当てはまれば申し出に応じなければなりません。この申し出を理由とした不利益な取り扱いも認められません。

さらに、面接指導の結果によって、労働者のための措置を講じる義務までが盛り込まれています。

努力義務ではなく義務である点に注目

これらは従来の感覚では努力義務になりそうなものですが、完全な義務化となった点に注目です。その他の化学物質のアセスメントや受動喫煙に関する部分も含めて、うつ病に対するひとつのアプローチとして有効だと考えます。

ただ、事業者の側の負担がかなり大きくなることは間違いありません。それが別の形で悪影響につながらないことを祈るばかりです。ちなみに、この改正法ですが、ストレスチェックの部分については平成27年12月までに施行される予定となっています。