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うつ病のしくみ

うつ病の定義は意外に曖昧で、おもに抑うつ感などの精神症状と、不眠などの身体症状から判断されます。しかしうつ病患者さんの脳では、ある明確な変化が起こっているのです。

うつ病患者の脳では、2つの神経伝達物質が不足している!

うつ病患者の脳 うつ病は精神疾患ですが、その仕組みは脳にある約1,000億個もの神経細胞の異常だと考えられています。特に問題となるのが、「情報伝達」です。

私たちが毎日ごく自然におこなっている動作のすべては、脳が司令塔となっています。食べる、寝るはもちろんのこと、手足を伸ばす、書く、話す、といったすべての行動は脳が体に指令を出しているのです。

この時に重大な役割を果たしているのが「神経伝達物質」です。神経伝達物質が脳の神経細胞に情報を伝達し、それが全身へと伝えられます。中でも「セロトニン」と「ノルアドレナリン」という神経伝達物質は、気分や意欲、思考などに関わる情報を伝達しています。

うつ病患者さんの脳では、これらの物質が何らかの原因によって減り、うまく作用していないことが分かっています。ですから気分の落ち込みや意欲の喪失、記憶力や集中力の低下などが起こるのです。

セロトニンとノルアドレナリンの増やし方とは?

これらのことから、「抗うつ薬」と呼ばれるものはセロトニンやノルアドレナリンの分泌量を増やすように作られています。

神経伝達物質は、もととなる神経細胞から分泌されたあと、他の神経細胞の受容体に結びつくことで情報を伝えているのですが、うまくくっつかずに余ってしまうと、もとの神経細胞にまた取り込まれるという性質を持っています。
その再取り込みを阻害することで、神経伝達物質の量を増やすのが抗うつ薬です。

抗うつ薬には、セロトニンの再取り込みだけをブロックするSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、セロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り込みをブロックするSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などがあり、患者さんの症状や薬との相性に合わせて処方されます。

またセロトニンは、食品から摂取することも可能です。セロトニンの材料となる「トリプトファン」という成分は、肉や魚、豆、卵や乳製品などのタンパク質が豊富な食材に多く含まれています。
ですから野菜の多い食事は体にいいものの、タンパク質を極端にとらない生活はセロトニン不足を引き起こす可能性があるのです。

またセロトニンは日光を浴びることでも分泌が促進されますので、日焼けをしない程度に陽の光にあたることも大切だといえます。